Yujin Planning | Vol.7 コメント

☆Vol.7 紺野 望 

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 東日本大震災が起こった時、僕の周囲の音楽家たちの多くが絶望感に苛まれていました。今こそ、何かしなくてはならないのに、何もできないことに絶望していたのです。なかには、「音楽家って、結局、平和な平時の仕事なんだと思う」というメールをくれた友人もいました。〈そんなはずはないだろう!〉、〈今こそ音楽がチカラを発揮するべきだろう!!〉と、僕自身、もう一度、みずからを奮い立たせるもうまくいかず、本当にどうしていいかわかりませんでした。
 そんな時、ある方からの転送メールで「被災地に音楽が足りない」との連絡をもらい、
僕は正直、驚きました。水、食糧、情報、そして音楽が欲しい、そこには確かにそう書いてありました。まだ、音楽にチカラは残されていたのです。
 紺野さんと半蔵門でお会いしたのはそのもう少し後のこと。いろいろとお話をする中で、臨時災害放送局というものがあり、そこが被災地の方たちに直接情報を届けていることを教えていただきました。その情報をもとに、僕はコロムビア、キング、ビクター、作曲の若松歓さんに声をかけて、被災地の臨時災害放送局に音源を送る「よい音楽、とどけようプロジェクト」をスタートさせました。僕は世話人。選曲は田中修二さんが、音源のまとめはアツミケンジさんが担当して下さいました。そうして出来上がった音源を福島、宮城、岩手の臨時災害放送局に送ったのは、そろそろ初夏の声を聞きはじめていた頃でした。
 本編の中で話しましたが、僕はチーム紺野に加わり、6月中旬、宮城と岩手の臨時災害放送局を巡る旅に出かけました。そこで想いを新たにしたことのひとつに、ラジオというメディアが今回の大震災でいかに大きな役割を果たしたか、ということがありました。しかも災害時には、大きなエリアをカバーする放送にもまして、コミュニティ放送といわれるメディアがどれほど重要であるか、その存在を知り、役割を知ることが僕たちにとってとても大切なことであることを認識することができたのです。
 今回のゲストはチーム紺野のボス、紺野望さんです。ラジオ大好き人間を自称される紺野さんにコミュニティラジオの本質、魅力について根掘り葉掘り聞きました。