☆Vol.1 髙木 裕(ピアノ・プロデューサー)
髙木裕さんとはじめてお会いしたのは、確か10年くらい前、
「彩の国さいたま芸術劇場」でのレコーディングの現場だった。
当日、エンジニアの今泉徳人クンから
「今日はピアノを運び込むから」と言われた僕は
最初、きっと彼がジョークを言っているんだと思った。
第一に普通の録音の現場でピアノを運び込むという発想は、
よほどのことがない限り生まれてこないし、
何よりもその費用が膨大になることも知っていたからだ。
しかしそんな僕の予想に対して、
会場についた髙木さんとスタッフの方たちが僕たちに見せてくれた
ある種の「芸当」は、今までのピアノ搬入の概念を打ち破る、
爽やかでしなやかなものであった。
それから約10年近く、髙木さんとは数多くの現場をご一緒してきた。
その度に髙木さんは進化し、新しいことにもチャレンジを続けている。
2004年にはついに『スタインウェイ戦争』(洋泉社)という
極めてエキサイティングな本まで上梓した。
また、一昨年には「サロン」をオープンし、独自の企画を推進している。
僕はそんな髙木さんを横眼で見ながら、その「進化の秘密」に迫りたいと思った。
そして僕も髙木さんに負けじと
「たたかうピアノ」と題したトーク・セッションを企画することにした。
今回、Edu-Culture Channelの第一回目の収録をするにあたり、
迷いなく髙木さんにご出演いただき、
「たたかうピアノ」について一緒に話してもらおうと思った。
さぁ、果たして収録の本番はどうなることか?
そして「たたかうピアノ」への波紋は??
…どうぞご期待いただきたい。
オススメ!
スタインウェイ戦争 誰が日本のピアノ音楽界をだめにしたのか (新書y)
著者:高木裕・大山真人
価格: 777円
単行本: 221ページ
出版社: 洋泉社; 新書版版 (2005/3/3)
発売日: 2005/3/3